22号 2003年3月発行
<特集> 越境の中の近現代日本
杉原 達
越境考―「越境の中の近現代日本」特集にあたって
貴堂 嘉之
帝国と国民国家のあいだ―アジア系移民の越境・人種・アメリカ
川上 郁雄
定住と越境 -日本とオーストラリアのベトナム系移民を例に-
松田 京子
領台初期における台湾原住民をめぐる法学的言説の位相-「帝国臣民」の外縁と「帝国」の学知-
水野 守
「越境」と明治ナショナリズム -一八八九年条約改正問題における政教社の思想-
浅川 晃弘
近代日本の帰化許可者
【論説】
花森 重行
歴史に抗する“歴史”へ -堀田善衛における上海体験と「第三世界」-
金 容菊
柳宗悦と朝鮮芸術論 -日本人による柳の朝鮮(芸術)観への評価・批判の概観-
中村 平
台湾高地・植民地侵略戦争をめぐる歴史の解釈 -1910年のタイヤル族「ガオガン蕃討伐」「仲良くする」sblaqなのか-
植野 真澄
白衣募金者一掃運動に見る傷痍軍人の戦後
【研究ノート】
伊賀 みどり
母乳育児の文化と「乳揉み」 -『主婦の友』創刊号から一九六〇年代までを題材に-
高原 幸子
「支援」の思想に向けて -アジア子ども基金(ACF)の活動から
【対話と方法】
森 宣雄
帝国史の趨勢とその地下にある夢と覚醒 -冨山一郎著『暴力の予感』と伊波普猷における「妖術者のワンド」の予感-
【書評】
安田 常雄
方法の言葉は、いかに暮らしに拮抗できるか -杉原達『中国人強制連行』を読んで-
樋口 浩造
書評:中村春作『江戸儒教と近代の「知」』(ぺりかん社)を読む
土居 浩
「死の文化」を読む/書く -『死の文化誌』をめぐる断想-