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土井智義『米国の沖縄統治と「外国人」管理 強制送還の系譜』刊行

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修了生・土井智義さん(琉球大学島嶼地域科学研究所PD研究員)のご著書『米国の沖縄統治と「外国人」管理 強制送還の系譜』が、法政大学出版会から出版されました。

【紹介】

1945~72年まで沖縄は米国の統治下にあった。時に武力を伴うその強引な支配は、「銃剣とブルドーザー」という言葉でも有名である。しかし、米国が人々を戸籍で琉球住民と非琉球人に区分したことは知られていない。非琉球人は現在の外国人と同様に扱われ、入管制度に違反すれば日本本土に強制送還された。非琉球人管理制度がつくられた歴史的背景を考究する。

【目次】

はじめに
序章
第1節 植民地国家「琉球列島」と非琉球人
第2節 非琉球人管理制度をみる視座
第3節 強制送還の分析視角
第4節 本書の構成と資料

第1章 無籍者問題における強制送還と登録構想
――奄美出身者を中心に
第1節 沖縄島の奄美出身者
第2節 つくられる無籍者
第3節 南北琉球出身者の取締り:下からの排外政策
第4節 強制送還の意義:社会管理と人種主義
第5節 問題の収束
小括

第2章 日本人労働者の移入問題
――米国の広域支配と経済圏
第1節 「外国人労働者」としての日本人労働者
第2節 日本人労働者を巡る軋轢
第3節 移入の構造
第4節 送還と一体化した移入政策
小括

第3章 非琉球人管理制度の誕生
――第一次入管令の統治構造上の意義
第1節 集成刑法の強制送還
第2節 入管令以前の「外国人」管理:超過滞在への介入の開始
第3節 非琉球人管理制度の成立:第一次入管令をめぐって
第4節 新たな違法性による強制送還
小括

第4章 在沖奄美出身者の完全送還計画
――人種主義のアリバイとして
第1節 日米両政府の基本姿勢
第2節 返還交渉と地位問題
第3節 奄美返還後の奄美人に関する処遇計画
第4節 非琉球人管理への結合:オグデン計画の行方
小括

第5章 非琉球人管理制度の再編とその効果
――第二次入管令の制定以降
第1節 奄美返還後の在沖奄美出身者:第二次入管令まで
第2節 第二次入管令の制定と「本土籍者」の創出
第3節 強制送還の変容とその実態:深まる社会管理
第4節 生まれと領土の一致:第二次入管令の効果
小括

終章
第1節 米国統治のなかの非琉球人管理:強制送還の系譜から
第2節 〈別の戦後日本〉としての琉球列島
第3節 沖縄返還と琉球人

あとがき
巻末資料/参考文献/索引

米国の沖縄統治と「外国人」管理 | 法政大学出版局 (h-up.com) より

文学研究科・優秀若手研究者奨励賞の受賞

2021年9月15日(水)に開催された、「第4回 大阪大学大学院文学研究科 若手研究者フォーラム」にて、本研究室の座間味希呼さん(博士前期課程2年)が発表し、「第4回 文学研究科・優秀若手研究者奨励賞」を受賞しました。

発表題目:「戦後沖縄の製糖技術者に見る「帝国主義的キャリア形成」の痕跡 ―南洋群島から引揚げてきた製糖技術者に着目してー」

若手研究者フォーラム — 大阪大学大学院文学研究科・文学部 (osaka-u.ac.jp)

 

謝花直美『戦後沖縄と復興の「異音」』刊行

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日本学研究室を修了された謝花直美さん(沖縄タイムス記者・沖縄大学地域研究所特別研究員)のご著書『戦後沖縄と復興の「異音」 米軍占領下 復興を求めた人々の生存と希望』が、有志舎から刊行されました。

 

【紹介】

沖縄の人々は沖縄戦から米軍占領下の戦後にかけて、戦場での彷徨・避難、収容所への移動から帰還、さらに海外からの引揚げなど、生活を破壊され移動に次ぐ移動を強いられた。本書は、これまでの歴史叙述が取りこぼしていた人々の生活の場(生活圏)に注目し、米軍占領下の復興というものがいかなるものであり、ある復興が別の復興を妨げてしまうという「復興の異音」に耳を傾けながら、戦後沖縄の原風景を生身の人間の姿に即して描き出す。巧妙に占領への協力が作り出され、窒息しそうな社会の中でも、希望の兆しを人々は生活の場からいかにして創り出していったのか。

 

【目次】

序 章 戦後沖縄 占領下の生活・生存/復興の中の「異音」
第1章 ミシンと復興―女性たちの「生活圏」と共助―
第2章 移動と引揚げがつくった「金武湾」という地
―米軍占領下、沖縄の生存と労働―
第3章 「復興」の中の離散―垣花と軍港で働く人々―
第4章 「復興」に奪われた真和志村
第5章 「オフ・リミッツ」と「米琉親善」による境界編成
第6章 「アカ」と「第一次琉大事件」
終 章 「気持ちまでは取られない」

 

有志舎 (webnode.jp) より

 

 

北原恵先生退職記念講演および研究交流会

去る2021年3月13日(土)、日本学研究室では北原恵先生の退職記念講演および研究交流会を開催いたしました。

コロナ禍という状況のなか、オンラインでの開催となりましたが、総勢77名の方が集う盛会となりました。

最終講義(北原)

北原恵先生の退職記念講演は、事前収録した映像を配信いたしました。

当日配信した映像は現在、You tube上で限定公開しております。

↓↓

北原恵先生退職記念講演-You tube

是非、ご覧ください。

コロナ禍の「声」を記録する―オーラル・ヒストリーになにができるか―

2020年度 日本オーラル・ヒストリー学会 研究大会プレ企画 研究実践交流会

「コロナ禍の「声」を記録する―オーラル・ヒストリーになにができるか―」

 

【概要】
日時:2020年9月5日(土) 13:00~16:30(開場 12:30)
場所:オンライン開催 (Zoom利用)
※要事前申し込み:下記ミーティングアドレスから事前登録をお願いします。
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZYod-2vqT0rGtLF7XoMrHqoFEujqkBCY7HG

参加費:無料

【プログラム】
趣旨説明
発表(各20分)
1.小林多寿子・庄子諒 「コロナ禍のフィールドワーク ―福島県南相馬市における相馬野馬追調査に取り組む一橋大学社会学部小林ゼミナールの場合―」
2.安岡健一・松永健聖 「「緊急事態」の声を聞く―大阪大学文学部文化交流史演習の取り組み―」
3.野入直美  「アフターコロナに残したいこと-琉球大学学生プロジェクトチームによるweb公開の試み」
コメント 菊池信彦
質疑応答・事例紹介
グループディスカッション (グループは主催者が割り振ります)
まとめの討論

 

【趣旨】
2020年、新型コロナウイルス感染症が世界を覆っている。犠牲者は50万人を超えてなお感染は拡大しており、危機の収束は見通せていない。日本社会もまた2月末の一斉休校措置にはじまり、4月初頭から5月末に至る全国的な緊急事態宣言という未曽有の経験を経て、いまも歴史的変動のただなかにある。予断を許さない現状は、対話や集会という営みを、恐れを伴うものに変えてしまった。
こうした状況において、オーラル・ヒストリーに何ができるだろうか。一つの応答として、この非日常的な日常を生きる人びとの声を少しでも集め記録することがある。すでに感染の爆発的拡大の直後から、応急的な反応の記録(Rapid Response Collecting)として、オーラル・ヒストリーを含む資料収集が呼びかけられ、世界各地の大学・公共図書館・博物館など多様な機関が聞き取りに取り組みはじめている。日本国内でもいくつかの博物館やデジタルアーカイブ関係者が資料収集を呼びかけている。
ただちに症状がでない感染症の流行は、教育・研究の場からフィールドワークの機会を奪っている。しかし、こうした状況であっても、可能な聞き取りもあるだろうし、この間に普及した遠隔コミュニケーションのツールを活用する方法などもあるのではないだろうか。
今回の研究実践交流会では、大学の授業として取り組んだ、コロナ禍の「声」を記録する実践を報告する。まず小林・庄子両氏には、現在困難を極める実地フィールドワークの現在について福島県南相馬市を事例に報告をいただく。次に、安岡・松永両氏が4月から取り組んだオーラル・ヒストリーの実習授業を素材に、目的・アウトライン・結果について報告する。最後に、野入氏に受講生たちが自主的に取り組んだコロナ禍の生活記録公開プロジェクトについて報告していただく。これらの報告に対して関西大学でコロナアーカイブに取りくむ菊池氏よりアーキビストの立場からコメントをいただく。この3つの報告およびコメントを通じ、このような状況でも/だからこそできることがあることを共有したい。
さらに、今後私たちが連携することをつうじて、各地の声を収集し紐づけることが出来れば、まとまった量の声を後世に残すこともできるはずである。1910年代のインフルエンザの流行をはじめ感染爆発の歴史が真剣に参照されている現状を見ても、いまを生きる自分たちが現代と後世のために果たしうる役割は小さくない。
当日は、質疑とグループ・ディスカッション、各地における実践例の交換などをつうじて今後の連携につなげて、学問の社会的意義を展望することを目指したい。

主催:日本オーラル・ヒストリー学会
問合せ先:joha18[at]ml.rikkyo.ac.jp
※ [at] を @ に差し替えてください。

 

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