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コロナ禍の「声」を記録する―オーラル・ヒストリーになにができるか―

2020年度 日本オーラル・ヒストリー学会 研究大会プレ企画 研究実践交流会

「コロナ禍の「声」を記録する―オーラル・ヒストリーになにができるか―」

 

【概要】
日時:2020年9月5日(土) 13:00~16:30(開場 12:30)
場所:オンライン開催 (Zoom利用)
※要事前申し込み:下記ミーティングアドレスから事前登録をお願いします。
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZYod-2vqT0rGtLF7XoMrHqoFEujqkBCY7HG

参加費:無料

【プログラム】
趣旨説明
発表(各20分)
1.小林多寿子・庄子諒 「コロナ禍のフィールドワーク ―福島県南相馬市における相馬野馬追調査に取り組む一橋大学社会学部小林ゼミナールの場合―」
2.安岡健一・松永健聖 「「緊急事態」の声を聞く―大阪大学文学部文化交流史演習の取り組み―」
3.野入直美  「アフターコロナに残したいこと-琉球大学学生プロジェクトチームによるweb公開の試み」
コメント 菊池信彦
質疑応答・事例紹介
グループディスカッション (グループは主催者が割り振ります)
まとめの討論

 

【趣旨】
2020年、新型コロナウイルス感染症が世界を覆っている。犠牲者は50万人を超えてなお感染は拡大しており、危機の収束は見通せていない。日本社会もまた2月末の一斉休校措置にはじまり、4月初頭から5月末に至る全国的な緊急事態宣言という未曽有の経験を経て、いまも歴史的変動のただなかにある。予断を許さない現状は、対話や集会という営みを、恐れを伴うものに変えてしまった。
こうした状況において、オーラル・ヒストリーに何ができるだろうか。一つの応答として、この非日常的な日常を生きる人びとの声を少しでも集め記録することがある。すでに感染の爆発的拡大の直後から、応急的な反応の記録(Rapid Response Collecting)として、オーラル・ヒストリーを含む資料収集が呼びかけられ、世界各地の大学・公共図書館・博物館など多様な機関が聞き取りに取り組みはじめている。日本国内でもいくつかの博物館やデジタルアーカイブ関係者が資料収集を呼びかけている。
ただちに症状がでない感染症の流行は、教育・研究の場からフィールドワークの機会を奪っている。しかし、こうした状況であっても、可能な聞き取りもあるだろうし、この間に普及した遠隔コミュニケーションのツールを活用する方法などもあるのではないだろうか。
今回の研究実践交流会では、大学の授業として取り組んだ、コロナ禍の「声」を記録する実践を報告する。まず小林・庄子両氏には、現在困難を極める実地フィールドワークの現在について福島県南相馬市を事例に報告をいただく。次に、安岡・松永両氏が4月から取り組んだオーラル・ヒストリーの実習授業を素材に、目的・アウトライン・結果について報告する。最後に、野入氏に受講生たちが自主的に取り組んだコロナ禍の生活記録公開プロジェクトについて報告していただく。これらの報告に対して関西大学でコロナアーカイブに取りくむ菊池氏よりアーキビストの立場からコメントをいただく。この3つの報告およびコメントを通じ、このような状況でも/だからこそできることがあることを共有したい。
さらに、今後私たちが連携することをつうじて、各地の声を収集し紐づけることが出来れば、まとまった量の声を後世に残すこともできるはずである。1910年代のインフルエンザの流行をはじめ感染爆発の歴史が真剣に参照されている現状を見ても、いまを生きる自分たちが現代と後世のために果たしうる役割は小さくない。
当日は、質疑とグループ・ディスカッション、各地における実践例の交換などをつうじて今後の連携につなげて、学問の社会的意義を展望することを目指したい。

主催:日本オーラル・ヒストリー学会
問合せ先:joha18[at]ml.rikkyo.ac.jp
※ [at] を @ に差し替えてください。

 

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